はじめに – なぜ今このテーマなのか

ブログを再開して、あらためて実感していることがあります。
それは、「外の世界とつながること」の価値です。

プロジェクトマネジメントという仕事は、どの会社にも必ず存在します。
でも、会社の文化や業種によって、PMの振る舞いや重視されるスキル、成功とされる基準は驚くほど異なります。

私はこれまで、いくつかの組織でPMとして働いてきましたが、それでもなお「自分のやり方は、このままでいいのか?」という問いがついて回ります。
だからこそ、他社のPMとつながり、学ぶことを、もっと積極的に捉えたいと思っています。

他社のPMから学べることは何か

他社のPMと話すと、次のような違いが見えてきます。

  • プロジェクトの進め方(スクラム、ウォーターフォール、ハイブリッド…)
  • ドキュメントの粒度や共有のスタイル
  • トラブル時の初動やリカバリの方法
  • ステークホルダーとの距離感やコミュニケーションの濃度

しかし、こうした「方法論の違い」以上に重要なのは、“視座”の違いです。

たとえば、「プロジェクトの成功とは何か」という定義。
「関係者とどう信頼関係を築くか」という価値観。
そうした前提の違いに触れることこそが、学びの本質ではないかと思います。

なぜ学びにくいのか?

一方で、他社のPMから学ぶことには障壁もあります。

  • 社内文化に閉じてしまう構造(「うちはうち」の空気)
  • 「他社の方法は参考にならない」という思い込み
  • 自分のやり方を否定されるような気持ちになる恐れ

これらは、すべて私自身も感じたことのある感覚です。
だからこそ、意識して“外”に出ることが必要です。
他社のPMの言葉に耳を傾けて初めて、自分の偏りや限界にも気づけるのだと思います。

PMが“越境”することの意味

他社のやり方を知ることで、「なぜ自分はこうしているのか?」という問いが生まれます。
これは、自分のPMスタイルを客観視するきっかけになります。

また、真似ることを通して、自分の個性が浮き彫りになるという側面もあります。

人は他者と交わり、他者を真似ようとしたとき、どうしてもうまく真似できない部分に直面します。
その“真似できなさ”こそが、自分の個性の輪郭を教えてくれます。

逆に言えば、自分が「これが自分らしさだ」と思っている多くのものは、時代や環境、世代、職業、性別、役割といった要素によって規定された“既製品”であることが多いのです。

だからこそ、人間は自分を知るために他者を必要とします。
他社のPMと交わることで、「自分を誤解していた部分」が少しずつ剥がれていく。
そしてその先に、本当の意味での“自分のスタイル”が立ち上がってくるのではないでしょうか。

変化の激しい時代において、学び続けられるPMは、環境が変わっても強い
だから私は、どんどん越境していいと思っています。

おわりに – ブログを書く理由と重ねて

この Calm PM Lab は、もともと「自分の思考を整理するため」に始めました。
でも今はそれ以上に、「他社のPMと、ゆるくつながれる場所」に育てていきたいと思っています。

一人では見えないことも、他の誰かの経験と言葉を借りることで見えてくる。
それが、プロジェクトマネージャーという“実践者”同士の学び合いの良さだと思います。

私はこれからも、自分のために書くことを通じて、外とつながりながら学び続けたい
そんな気持ちで、今日もブログを書いています。